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図研(6947)の利益成長は筆者見通しを下回る見込み。「小型株1年」での注目を終了(2015年06月11日推奨終了)

投資スタンス

「小型株1年」での注目を終了する。

投資家に伝えたい3つのポイント

  • 2015年6月9日に開催された「中期計画説明会」を経て、今期会社予想に上振れの可能性は低いことや、増配以外の株主還元策は期待薄であるという印象を得た。
  • 現状、株価水準に割安感は乏しく、ほぼ妥当水準と考えられるため、「小型株1年」での注目を終了する。
  • 同社は成長期にあるという認識であり豊富なネットキャッシュはM&Aを含む成長投資への活用を表明しており、今後、具体策が顕在化した段階で、再度、注目が可能かを検討したい。

「中期計画説明会」のポイント

同社は2015年6月9日に「中期計画説明会」を開催し、中期計画2年目(2015年3月期)の実績と、最終年度(2016年3月期)の見通しについて以下のような説明を行った。

2015年3月期については、国内事業については「CR-8000/Design Force」(基板設計ソリューション)の拡販が順調に進み計画を達成したものの、海外事業、及び、連結子会社である図研エルミック(4770)の業績が下振れたため、売上高は会社計画の223億円に対して213億円に留まった。また、営業利益も、会社計画16億円に対して10億円に留まったが、減収による利益減が主因である模様。

2016年3月期は、「CR-8000」が国内を中心に好調が続く可能性は高いが、米国シリコンバレーで推進中の事業開発が、想定よりも時間を要していることや製品企画・開発関連コストの増加により、売上高は227億円(中期計画目標250億円)、営業利益は15億円(同25億円)と中期計画目標には達しない見通し。

株主還元策については、2016年3月期の配当は前期比13円増配の30円(うち10円は記念配当)とするとし、普通配当については、今後も安定低な増額を目指すと言及。

ROEについては、2015年実績ベースで1.8%と低水準だが、早期に5%を達成したいとういうコメントがあった。ただし、このROE改善は、業績を伸ばすことで達成する方針であり、ROE改善のための自社株買いは考慮していない考えを明確にした。

「小型株1年」での注目を終了

筆者は、これまで、国内設備投資の回復継続や海外展開や新製品効果により、2016年3月期の中期計画は達成可能と考えていた。しかしながら、上記の理由により、この実現は困難になったと判断せざるを得ないと考えている。2016年3月期の予想配当利回りが2.5%と比較的高い水準であること、会社予想は増収増益予想(筆者予想は下回る)であること等から、株価の急落は想定していない。ただ、会社予想を前提にしたPERは26倍と市場平均の16~7倍を上回っているため、割安感を根拠とした「小型株1年」の注目を終了することにする。

今後もM&Aを含む成長投資を注視していきたい

2015年3月期末のネットキャッシュは約210億円と豊富であるが、上記のように、同社はROE改善のための自社株買いにではなく、成長投資に活用していく考えのようだ。

実際、今回の説明会で会社側は、競合企業である米Cadence社のプリント基板設計システム部門を買収するためには300億円程度が必要であり、近い将来にそうしたことが可能になった場合を考慮すると、多額のネットキャッシュを保持している必要があるといった趣旨のコメントを行っている。

同社は、プリント基板設計システム分野では、国内市場ではトップポジションにあるが、国内顧客の成長力鈍化を考慮すると、海外展開の強化を更に加速する必要があり、このためにもM&Aは不可避の選択であると見られる。今後、M&A等の具体策が顕在化した段階で、再度「注目」することが可能かを検討したい。

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