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  • Mon Nov 09 10:37:00 UTC 2015
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パナソニック売上高10兆円への戦略徹底解説-個人投資家向け説明会開催へ

Longineが読者に伝えたい3つのポイント

  • パナソニックは創業100周年となる2018年度に向け売上高10兆円に挑戦
  • 同社の売上高目標10兆円を達成するためのカギは車載と住宅関連事業
  • 同社は2015年12月10日に個人投資家向け説明会を開催し、個人投資家と直接対話をする予定(個人投資家説明会の詳細と【Panasonic×Longineによる個人投資家向け説明会応募フォーム】へのリンクはレポート最後にも掲載しています)

【Panasonic×Longineによる個人投資家向け説明会2015応募フォームへのリンク】←こちらをクリックください。

パナソニックはなぜ売上高10兆円を掲げるのか

パナソニックは創業100周年となる2018年度に向け、売上高10兆円に挑戦しています。売上高10兆円という水準は同社がこれまでに達成したことのない水準です。

下図は、パナソニックの2002年度から2014年度の売上高と税引前利益の推移を示したものです。同社は2006年度に売上高9.1兆円、税引前利益4,390億円を達成していますが、その後、リーマンショック後の世界での需要低迷や円高、三洋電機買収後の事業ポートフォリオの再編などにより、売上高の伸びが低迷しました。結果、収益の改善が遅れたとも言えます。特に2011年度及び2012年度には繰延税金資産の取り崩しなどにより当期純損失が2年連続で7,000億円を超す事態となり、同社の財務体質は大きく悪化することになりました。

出所:SPEEDAをもとにLongine IR部作成


しかし、パナソニックは、津賀一宏社長が掲げた中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(CV2015)」における事業構造改革を進める中、課題事業の整理や収益改善等により、中期経営計画を1年前倒しで達成するまでに至りました。

では、なぜ、パナソニックは売上高目標10兆円を掲げるのでしょうか。他の企業であれば、売上高目標はもちろんのこと、利益率やROEの目標値を掲げることは珍しくありません。

パナソニックの場合には、事業ポートフォリオの整理がおおむね完了しつつある中、まずは選択した競争優位性のある事業に地域別に戦略を立て、全社で改めて売上高をターゲットにし、成長路線に回帰させようとしているのではないかとLongineでは考えています。

また、売上高が再び成長軌道に回帰していく中で、収益性も合わせて改善するでしょうし、これまで以上の収益を稼ぐための新しい仕組み作り―BtoBソリューションのような取り組みも含めて行っているとLongineでは理解しています。

営業利益率やROEなどは現在実行している戦略の結果であり、売上高目標を達成することはパナソニックがグローバルでの競争で勝ち進むために最も優先順位が高いとLongineでは見ています。

売上高目標10兆円を達成するためのカギは車載と住宅事業

それでは、パナソニックはどのようにして売上高10兆円を達成しようとしているのでしょうか。パナソニックの戦略の肝は、5つの事業軸と3つの地域軸を掛け合わせたマトリックスによる事業ポートフォリオ基盤の運用です。同社はその中でも、重点領域を6つに絞りました(下図参照)。

出所:SPEEDAをもとにLongine IR部作成


Longineは、その6つの重点事業領域の中でも、パナソニックが2018年度にかけて最も売上高成長を見込んでいる「車載事業×欧・米」と「住宅関連事業×日本」に焦点を当てて解説していきます。

車載事業のグローバル市場での競争領域-快適×安全×環境

パナソニックの車載事業は2014年度の売上高約1.2兆円を2018年度には2.1兆円にまでに拡大させようとしています。その際、同社の車載事業が重点を置いている領域は、インフォテインメントを中心とした「快適」、センシングデバイスを中心とした「安全」、電池や充電器を中心とした「環境」となります。

自動車は、既存自動車メーカーやテスラモーターズといった新興電気自動車メーカーだけではなく、インターネット広告企業のグーグルがプロジェクトの中で自動運転車を開発するなどといった、これまで自動車産業とは関わりがなかった企業も自動車産業に参入してきています。

また、次世代自動車の設計も大きく変わろうとしています。自動車がこれまで以上にネットワークに接続されるようになればコックピットの姿も変わるでしょう。現在センシングデバイスや画像処理技術の革新により、先進運転支援システム(ADAS)と呼ばれるこれまで以上に安全な自動車のシステム開発が盛んに行われています。また、これまでのハイブリッドカーだけではなく、電気自動車の普及も加速しています。そうした環境の中では、これまで以上に二次電池の需要は増してくるでしょうし、そうなれば二次電池の寿命や安全性もこれまで以上に必要とされることになるでしょう。パナソニックの車載事業は、そうした変化が大きな領域に対して積極的に取り組んでいます。

パナソニック海外車載事業―テスラ・ギガファクトリーへの投資とフィコサへの出資

車載事業の拡大戦略取り組みの中でもカギをにぎるのが、「車載事業×欧・米」を中心とした海外での取り組みです。

2014年にはテスラモーターズ(以下、テスラ)が米ネバダ州スパークス郊外で建設する大規模電池工場「ギガファクトリー」への参画を表明しました。

テスラのウェブサイトによれば、ギガファクトリーに関して以下のような発表内容となっています。

  • テスラはパナソニックなどと提携することで、リチウムイオン電池の製造方法の革新、廃棄物の削減、生産工程のほとんどを同一工場内で実現
  • 今後テスラの電気自動車に必要なリチウムイオン電池をギガファクトリーで内製
  • テスラは2010年代後半には年間50万台の電気自動車を生産する計画
  • 2017年よりバッテリーセルの生産開始
  • 2020年までにギガファクトリーは最大生産能力に到達
  • バッテリーパックのkWh当たりのコストに関して30%以上削減を予測

Longineがパナソニックとテスラの取り組みに関して注目している点は、パナソニックのリチウムイオン電池の生産技術が、今後世界最大リチウムイオン電池需要家に認められたということです。

また、テスラは、“Powerwall(パワーウォール)”と呼ばれる家庭用蓄電池の販売も発表しており、将来においてテスラのPowerwall向けにもギガファクトリーで生産したパナソニック製電池が搭載されるのではないかとLongineでは期待しています。

パナソニックの車載事業で注目すべき第2点は、2015年7月にスペインの自動車部品メーカーのフィコサとの協業を開始したことです。同社とフィコサとは電子ミラーの共同開発をスタートしていますが、それに加えて、同社が自動車部品メーカーとしてフィコサを通じて欧州の自動車完成車メーカーとこれまで以上に取引が広がっていくであろうとLongineは考えています。

このように、パナソニックの車載事業は、次世代自動車の成長領域に対して、投資や出資なども含めて、国内外で着実に手を打っていると言えます。

パナソニック住宅関連事業の成長戦略-制度と人口動態の変化を取り込む

パナソニックの住宅関連事業は2014年度の売上高約1.3兆円を2018年度には2兆円にまで拡大する計画です。その売上高成長をけん引するポイントとしては、国内を中心に以下のような事業成長を計画しています。

  • リフォーム事業
  • 住宅エネルギーマネジメント事業
  • エイジフリー事業

Longineでは、この中でも特に住宅エネルギーマネジメント事業に注目しています。パナソニックは住宅用分電盤で国内シェア1位であり、この分電盤は家庭向けエネルギー制御の中心となります。パナソニックは、2018年までに、新設住宅に取り付けられる分電盤の半数をHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)対応の「スマートコスモ」にしていく計画です。パナソニックは、将来の日本の住宅エネルギーマネジメントでは欠かせない役割を演じる可能性が高いといえます。

また、住宅エネルギーマネジメント事業に加え、住宅の築年数の長期化に伴うリフォーム需要の取り組みや、高齢者が増加することに伴う介護施設需要の取り組みなども合わせて成長させる計画です。

このように、国内の住宅関連事業を取り巻く事業環境は、住宅そのものにとどまらず、エネルギー制度や人口動態の変化といった大きなテーマと接点があること、またそうした変化に対してソリューションを持っているのがパナソニックの特徴だとLongineは考えています。

成長に欠かせない強固な財務体質

パナソニックが、売上高成長を目指して再び成長軌道に入りつつあるのは、財務体質の改善があることも大きな要因です。これまでの事業構造改革が当初計画以上の進捗を見せ、収益が改善するとともに財務体質も強固になりつつあります。

その中で、フリーキャッシュフローがプラスに大きく改善することで、これまで見てきたような、テスラ・ギガファクトリーへの投資やフィコサへの出資、ヴィコ社の買収などが可能となります。Longineでは、キャッシュフローを重視する中で、パナソニックがM&Aなども含めていかに成長機会を取り込んでいけるかに注目しています。

Panasonic×Longineによる個人投資家向け説明会2015

この度、2015年12月10日にパナソニック東京汐留ビルにて、パナソニックとLongineによる、個人投資家向け説明会2015を実施することになりました。

当日は、パナソニック代表取締役専務CFOの河井英明氏及び同社常務取締役の佐藤基嗣氏による説明及びディスカッションに加え、個人投資家の皆様からの質問に対する回答、Longineアナリストによる業界の見通しに関するプレゼンテーションなどを実施する予定となっています。

また、個人投資家向け説明会当日は、説明会参加者の方に限りパナソニック汐留ミュージアム(東京汐留ビル4F)とショウルーム(同ビル1F、リフォームパーク)へ無料でご招待させていただきます。

参加をご希望される方は、以下のリンクをクリックいただき、応募フォームにご記入ください。なお、参加希望者多数の場合には、抽選の上、ご返信させていただきます。

【Panasonic×Longineによる個人投資家向け説明会2015応募フォームへのリンク】←こちらをクリックください。

Panasonic×Longineによる個人投資家向け説明会2015の詳細

◆日時:2015年12月10日(木)

◆時間:午後6時30分~午後8時まで(受付は午後5時30分から、また開場は午後6時より)
※パナソニック汐留ミュージアム(4F)、およびショウルーム(1F、リフォームパーク)の閉館時間は午後6時30分になります。

◆場所:パナソニック 東京汐留ビル 5Fホール(東京都港区東新橋1-5-1)

◆参加費:無料

◆収容人数:最大200人程度

◆当日のアジェンダ(予定)

  • 開催のご挨拶
  • Longineアナリストによるプレゼンテーション
  • パナソニック経営陣×Longine による説明及びディスカッション(予定:CFO、企画担当常務)
  • 質疑応答

【Panasonic×Longineによる個人投資家向け説明会2015応募フォームへのリンク】←こちらをクリックください。

皆様のご応募をお待ちしております。

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