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“中食“へのシフトが進む中で恩恵を受ける銘柄は何か【Longine投資テーマ50】

投資家に伝えたい3つのポイント

  • 「外食」でも「内食」でもない「中食」が拡大しており、大きな注目を集めている。
  • 日本は、少子高齢化の加速が進む中で、核家族化、女性の社会進出拡大などにより、調理済み食品を購入して家庭や事務所で食べる「中食」が増え続けている。
  • 中食を可能にした背景には、電子レンジの普及はもちろん、耐熱性や保温性に優れたプラスチック製食品容器の改良があり、新しい市場を形成している。代表的な中食であるオニギリ、弁当、総菜などを手掛けコンビニなどへ出荷しているわらべや日洋(2918)、シノブフーズ(2903)、食品容器大手のエフピコ(7947)、中央化学(7895)などが今後も大きな恩恵を受けると考えられる。

当レポートの関連銘柄

  • エフピコ(7947):我が国最大の食品容器メーカー。開発力、物流システムで群を抜く。
  • 中央化学(7895):三菱商事が過半の株式を保有。業界第2位。
  • わらべや日洋(2918):中食業界首位。セブン-イレブン向けが主体。
  • シノブフーズ(2903):中部地盤でスーパー向け惣菜、コンビニ向けオニギリに強い。

なぜ株式市場で“中食”が注目されるのか

「中食」というのは聞き慣れない言葉かもしれない。しかし、「外食」や「内食」はある程度聞き慣れていると思われる。「中食」はその中間に存在する概念と考えればよい。

外食は我々が外のレストラン等で食事をすることを指し、内食は食材をスーパーなどで購入、家庭のキッチンで手作りしたものを食することを指す。中食は正にその中間に位置し、家庭外で調理されたものを購入し、家に持ち帰り、家庭で食べるという定義がなされている。なお、例えば、持ち帰り先は家に限らず、オフィスなども含まれる。また、女性の社会進出、及び、核家族化により、この中食が大いに注目されている。

アナリストが注目する“中食”が拡大する背景とポイント

視点1:日本が少子高齢化時代を迎え、将来の人口が現在の1.2~1.3億人から1億人を下回るまで減少すると予想されている。他方、現在の日本の世帯数は5,200万強と言われているが、2020年頃までには5,300万まで増えると見られている(「日本の世帯数の将来推計」国立社会保障・人口問題研究所)。

一般には、“世帯”と言うと4人家族を想像してしまうが、一人暮らしのお年寄りでも1世帯と数える。今後は、高齢者の世帯が増え続ける見通しであり、2030年頃まで65歳以上の世帯主が増え続けるとも予想されているようだ。そして、この増加する世帯数は、夫婦のみ、一人親と子供、一人暮らしの高齢者等が中心になるようであり、これらの増加世帯は中食の需要拡大の対象となると考えられている。

視点2:例えば、年金生活の高齢者夫婦にとって、野菜や肉をスーパーで買って家庭で調理すると、コストが高くなると考えられる。しかし、最近のコンビニやスーパーでは、惣菜を小分けしてプラスチックの食品用器に入ったものを、手頃な値段で買うことが出来るようになっている。しかも、塩分控えめなどの健康を考えた食品が目立つようになっている。平均的な味付けの出来合いの調理済み食品を買う方がコストパフォーマンスに優れており、金銭面の観点からも、旅行や趣味を楽しむことが可能となる。

視点3:女性の社会進出が加速し、とりわけ、主婦の就業が拡大するに伴い、夕食の準備に費やす時間が少なくなる傾向があるようだ。実際、夕方遅くに帰宅してから食事の準備をするのは、体力的にも精神的にも大変である。このような場合、毎日とは言わないが、コンビニやスーパーなどで調理済みの惣菜を購入するのは有効であろう。現在の安倍政権は、民間企業に対して女性の活用を強く促しており、こうした傾向は一層強まると考えられる。

視点4:最近は職場での昼食(ランチ)が多様化している。一昔前までのように、社員食堂で食べることは確実に少なくなっていると見られる。しかし、外食はコストが高い。そこで急速に広まってきたのが、いわゆる“デスクランチ”であり、そのバリュエーションの拡充である。例えば、麺類で見ても、従前はお湯を入れて食べるカップ麺が中心であった。しかし、現在ではチルド化された様々な種類の調理済みラーメンが、電子レンジさえあれば手軽に楽しむことが出来るようになっている。実際、東京駅周辺の高層ビルなどでは、多種のチルド化された調理済み食品を並べ、付属のレンジで温めることも当たり前になっているのだ。(レンジアップ食品)。

“中食”市場が拡大することで恩恵を受ける企業群は

さて、上記の4つの視点からどのような銘柄が恩恵を受けるのかを考えてみる。

中食向け食品容器で恩恵を受ける企業

発泡スチロールなどからトレイや弁当容器などをつくる会社を訪問すると、コンビニやスーパーなどで見る食品容器の種類は極めて多いことがわかる。肉や魚を載せるだけの発泡スチロールシートから、透明の蓋のついた弁当ケース、小振りの惣菜ケース、等々。最近では、麺、スープ、チャーシュー、野菜が一緒に入ってレンジアップでき、手で持っても熱く感じない耐熱性と保温性の良い麺類向けカップ状の容器も一般化している。

これまで主流だった発泡ポリスチレンやポリスチレン・シートを材料にした食器では、レンジでの高温はせいぜい80℃までだったが、今や110℃のレンジアップに耐えられるポリプロピレン樹脂製、PET樹脂製の容器が出現するようになっている。調理済み食品の範囲が拡大していることが背景にある。

この中食向け食品容器では、国内の大手企業5社が市場の70%近くを占めている。その中で、30%弱のシェアを有するのがエフピコ(7947)、次いで中央化学(7895)が10%強のシェアと推定される。なお、残る3社は未上場会社である。

中食の拡大で恩恵を受けそうな食品加工企業

わらべや日洋(2918):セブン・イレブン向けオニギリなど米飯が主力事業のようだ。セブンの新規出店増が追い風となっている。

シノブフーズ(2903):ファミリーマート向けを中心に、寿司、弁当、調理パンに強みを持つ。大手コンビニ向けが50%以上を占める。製品アイテムの集約化、ロス削減、設備投資による省人化などでコスト上昇を巧みにコントロールしているようだ。

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