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  • Sun Nov 06 23:00:00 UTC 2016
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オムロンが目指す未来の生産現場-2016年度上期決算

Longine アカデミーから投資家に伝えたい3つのポイント

  • オムロンの2016年度上期実績は、為替影響除きで売上高横ばい・増益。売上高総利益率も+0.5%ポイント向上し「稼ぐ力の改善」が着実に進んでいる。
  • 制御機器事業では、成長業界に注力する取組みをグローバルで実行しており、その中でも中国の成果は顕著で+24%の増収となった。戦略の成果が確実に現れはじめている。
  • 制御機器事業ではAI技術やロボットで、生産ラインの知能化や人と機械の協調といった「モノづくりの革新」を目指している。

オムロンが目指す未来の生産現場-2016年度上期決算


発表のポイントは3点。

①通期の業績

通期の売上高、営業利益ともに現地通貨ベースで期初計画通りを 見通す。

一方で、上期から続く円高を受け、下期の想定為替レートを 1ドル 100円、1ユーロ 110円に見直し、通期見通しを下方修正。

②営業外損益

  • 退職給付信託の設定による売却益90億円
  • バックライト事業において100億円強の保有設備を全額減損
  • 通期の営業外損益は±0の着地を想定

③ 配当

通期の純利益は期初計画を下回る見通しだが、年間配当額予想は期初の 68円を据え置く



上期の実績は以下の通り。
  • 売上高は 3,716億円
  • 営業利益は 259億円
  • 当期純利益は 158億円
為替影響を除くと、売上はほぼ横ばい、営業利益はプラス4%。注力している売上総利益率は 0.5ポイント向上させており、稼ぐ力は着実に改善。

Longine アカデミーの注目点

オムロンの2016年度上期実績は、前年同期比では大幅な円高影響により減収減益の決算となったが、為替影響を除くと、売上高はほぼ前年横ばい、営業利益では+4%増の着地となった。注目すべきは同社がこだわりを見せている「稼ぐ力」を測る指標の一つである売上総利益率であり、為替影響を除いたベースでは+0.5%ポイント改善している。Longineアカデミーでは引き続き同社の収益率の改善に注目している。

事業セグメント別の売上高
  • 制御機器事業、車載事業、ヘルスケア事業は為替影響を除くと増収で上期を終えた。
  • 特に制御機器事業は、厳しい事業環境ではあったが、1Qに売却したオイル&ガス事業を除くと、5%の増収であり、本業のファクトリーオートメーションは好調に推移。
  • 社会システム事業は、駅務の更新需要が今年はサイクルの底にあたることや、太陽光発電における買取価格下落の影響により、前年同期比で 25%減少。
事業セグメント別の営業利益
  • 制御機器事業、電子部品事業、車載事業、ヘルスケア事業は為替影響を除くと、実質増益となった。
  • 特に、ヘルスケア事業は円ベースでも増益を達成。
営業利益増減(前年同期比)
  • 為替の影響は、この上期84億円。
  • 為替の影響を除くと、売上総利益は前年上期から2億円増加。
  • 売上減少による付加価値の減少を、付加価値率UPによる付加価値増でカバー。

連結貸借対照表

円高の影響により各項目の数値が縮小しているが、BSの構造に大きな変化はなし。

制御機器事業 中国での成果

我々が、いち早く成長業界に注力する取り組みを実行した中国において、成果が現れはじめている。

  • 中国の売上高の前年同期比は、現地通貨ベースでは +9%。その中でも我々が注力するデジタル、自動車、食品、社会インフラの4業界における売上高は、前年同期比で +24%で推移。
  • 特に、スマホを中心としたデジタル業界では、売上高を 4割伸ばした。
  • 幅広いラインナップによるハード面と、お客様の生産現場の課題解決に直結するアプリケーションをパッケージ化したソフト面の提案を徹底的に行った成果による。

Longine アカデミーの注目点

オムロン制御機器事業の中国における現地通貨ベースの売上高は、前年同期比で+9%と好調。「成長率の高い業界からの売上高を伸ばす」という目的のもと取り組みを進めてきた成果が出た格好だ。成長著しい4業界(デジタル、自動車、食品、社会インフラ)における売上高は前年同期比で+24%増加した。Longineアカデミーでは、今後も中国だけでなくグローバルで成長4業界の更なる成長を期待している。


下期 エリア別事業環境認識

下期においても、グローバル経済の不透明感が継続すると想定

  • 国内においては、自動車の新車向け投資は堅調と見ている。一方で、円高の影響により、改善投資に関しては全般的に抑制が続くと想定。北米は総じて堅調だが、自動車販売台数のピークアウト懸念があり、慎重にウォッチしていく。
  • 中国は経済成長の鈍化を引き続き想定。

下期 事業セグメント別事業環境認識

それぞれの内容はチャートに記載している通り。

通期見通し
  • 現地通貨ベースで期初計画通りの着地を見通すが、上期から続く円高を受け、想定為替レートを 1ドル 100円、1ユーロ 110円の円高方向に修正し、通期見通しを下方修正。
具体的には、
  • 売上高7,650億円
  • 営業利益550億円
  • 当期純利益は400億円
為替影響を除くと、増収増益。 収益構造改革の取り組みが成果を出しつつある。

Longine アカデミーの注目点

オムロンは想定為替レートを1ドル100円、1ユーロ110円に変更し、2016年度の通期見通しを下方修正した。売上高に関しては期初計画比で▲7%減、営業利益が同▲13%減となったがこれは主に円高影響によるものであり、為替影響を除けば計画に大きな修正はない。Longineアカデミーでは、今後の収益構造改革の取組みに焦点を当てたい。

事業セグメント別 売上高通期見通し

既存 5事業では、現地通貨ベースで概ね期初計画通りを見込む。

制御機器事業からオイル&ガス事業を除くと前年度比で +6%、さらにヘルスケア事業から売却予定のオムロンコーリンが手掛ける医療機器事業を除くと、前年度比で +8%となる。

事業セグメント別 営業利益通期見通し

売上高と同様に、既存 5事業は現地通貨ベースでは期初計画通りを見込んでいる。


営業外損益の特殊要因
  • オイル&ガス事業、医療機器事業を担う子会社の売却で、事業売却益が30億円強発生。
  • かねてから計画していた保有上場株式の譲渡による退職給付信託設定に伴って利益が生じた。
  • バックライト事業の保有設備を全額減損。

1株あたり配当

年間配当額予想は期初計画通り68円。

Longine アカデミーの注目点

オムロンの1株あたりの年間配当は期初計画通りの68円。2016年度の通期の業績見通しは円高を主な理由として下方修正したが、年間配当額については期初予想を据え置いた格好。Longineアカデミーでは、今後の株主還元にも引き続き注目していく。


i-Automation! によるモノづくりの革新

i-Automation! は、モノづくりの革新に向けた 3つの“i” によるイノベーションを表すコンセプト。

機械の高速高精度を追求する制御進化「integrated」、
情報の活用により設備を知能化させる「intelligent」、
人と機械の新しい協調「interactive」。

integrated-制御進化-

制御進化とは、従来難しかった超高精度な加工や、高精密組立、さらには高速搬送などを、簡単に自動化すること。

オムロンがこれらを実現できる理由は、2つ。

  • オムロンはロボットを含む品揃えが提供できる、業界唯一の制御機器メーカー。
  • 高精度かつ簡単に制御する世界最速のコントローラーと、お客様が簡単にプログラムできるアプリケーションパッケージの提供。

intelligent -知能化-

我々がこのintelligentで目指す世界は、 1/1000秒レベルのスピードで争う「ものづくりの現場」を、徹底的に知能化させることによる、生産性の革新。

  • 業界随一の 10万機種に上るFA機器をIoT対応させ、設備の振動やトルクの変化、モーター音などの生産現場の様々なデータを収集。
  • 膨大な現場データをAI技術により瞬時に分析し、生産設備の故障予兆や、不良品の発生を未然に察知。その上で、リアルタイムに設備を最適制御することで、止まらない設備、不良品を作らない生産ラインを実現させる。

Longine アカデミーの注目点

オムロンが目指す生産ラインとは、「止まらない・不良品を作らない」生産ラインである。FA機器をIoT化することで生産現場の様々なデータを収集、独自のAI技術によりこれらを瞬時に分析し、生産設備の故障予兆や不良品の発生を察知する。Longineアカデミーでは、このような取組みによって未来の生産ラインがどのように変化していくのかに注目している。

i-Automation! によるモノづくりの革新

■目指す世界

現在の生産現場は人の安全性を確保するため、左側の画像のように人とロボットが安全柵で分離をされているのが一般的。

interactiveで我々が目指す世界は、右側の画像のように人とロボットが隣同士で協調して働く生産現場。協調するとは単にロボットが人の代わりになるだけではなく、人とロボットが対話し、ロボットが人に合わせて仕事をするということを目指している。

これにより人の柔軟性や感性、ロボットの正確性や高速性の双方の強みを掛け合わせ、高い生産性と柔軟なモノづくりを実現させる。

Longine アカデミーの注目点

これまでの生産現場では、ロボットは人の作業を代替するという位置づけ、また人の安全性を確保するという目的から分離されているのが一般的であった。オムロンが描く未来は、ロボットが人に合わせて仕事をし、隣同士で協調して働く生産現場。そのコンセプトに沿って、2017年1月にはモバイルロボット(スライド26参照)を発売する。Longineアカデミーでは、今後の生産現場におけるモバイルロボットの需要と販売動向に注目している。

目指す世界の実現に向けて①

先日の国内最大の技術展示会CEATECで好評を博したモバイルロボットのニューバージョンを来年 1月に発売。

昨今の生産現場では、より多品種少量生産への対応が必要となり、需要の変化に柔軟な生産ラインが求められている。生産に従事する人が質・量ともに不足し、決まったモノを決まった設備で生産する固定化された従来の生産現場は、もはや限界がきている。

オムロンのモバイルロボットには独自の人工知能が搭載されており、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考えることができる。頻繁に変更される生産レイアウトに柔軟に対応し、また、確実に決められた場所に製品や部品を届けることが可能である。

目指す世界の実現に向けて②

今後はロボットに、オムロンユニークなヒューマンセンシングを加えていく。我々が目指す世界は、人とロボットの対話を深め、人が作業しやすいようにロボットがアシストするモノづくりの実現。

ヘルスケア事業で長年培った、血圧、脈拍、体温などの情報を元に人の体調などを判断するバイタルセンシング技術に、人の感情やスキルを表情や動作から読み取る独自の画像解析技術を組み合わせていく。

人の体調・感情・スキルを認識するヒューマンセンシングで、人とロボットの協調を完全なものにする。人が作業しやすいようにロボットが最適なスピード、最適なポジションでアシストすることで、常に安定したモノづくりを可能とし、今までにない高い生産性を実現していきたい。







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