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ソニー(6758)のQ3決算を経て「大型株1年」での注目継続(2018年03月29日推奨終了)

投資スタンス

目標株価4,000円とし「大型株1年」での注目を継続する。

投資家に伝えたい3つのポイント

  • 目標株価4,000円とし「大型株1年」での注目を継続する。
  • 2017年2月2日に発表された2017年3月期Q3決算では映画事業の減損を主因に通期予想が下方修正されたが、この要因を除くと実質的には営業利益は上方修正されており、過度な懸念は不要と考える。
  • 筆者予想は微修正したが、引き続き2018年3月期経営目標(営業利益5,000億円以上、ROE10%以上)は射程圏にあると予想している。

目標株価は4,000円を継続

目標株価は2017年3月期予想BPS1,980円に約2倍を乗じた4,000円を継続する。

目標株価算出の根拠であるが、過去3年間のPBRの上限は約2倍であり、「第二次中期計画」で示された基本方針への高評価が継続していることや、中期計画目標が依然として射程圏にあるため、レンジの上限を目標株価に当てはめることが妥当であると判断している。

また、2017年3月期以降、筆者も会社の経営目標と同様にROEで10%の水準を予想している。こちらもPBRで2倍という目標をサポートする要因となろう。

また、筆者業績予想については、今回の決算を受けて、2017年3月期予想は会社予想と同様水準に下方修正したが、2018年3月期は映画の下振れをデバイスや音楽などでカバー可能と考え、前回予想と同様に営業利益は5,000億円と予想した。

2017年3月期Q3(10-12月期)の振り返り

2017年2月2日に発表された2017年3月期Q3 (10-12月期)決算は、売上高が対前年同期比▲7%減、営業利益が同54%減、純利益が同84%減となった。

ただし、Q3の営業利益は、映画分野の営業権の減損(1,121億円)を除くとほぼ前年並みとなる。また、エレクトロニクス6分野合計の営業利益合計は1,417億円(同+32%増)となり、震災影響等で減益となっていたQ1、Q2から一転してQ3では増益に転じている。このため、減収、減益と見映えの悪い決算ではあるものの、むしろ堅調な決算であったという評価ができる。

通期会社予想は下方修正されたが、減損影響を除くと実質上方修正

2017年3月通期会社計画については、売上高は上方修正されたが、営業利益、税前利益、純利益は先述の減損影響により下方修正された。

なお、修正後の営業利益2,400億円には、映画分野の営業権減損(▲1,121億円)とエムスリー(2413)の株式売却益(372億円)に加え、「事業面での改善」として449億円が反映されている。このため、「減損影響なかりせば」と仮定すると、従来予想2,700億円に対して上方修正されていたことになる。

セグメント詳細

Q3ではエレクトロニクス6分野のうちゲーム&ネットワークサービス、半導体、コンポーネントが前年同期比で増益となり、それ以外の3事業については減益ではあったが比較的高い水準の黒字を維持していた。各分野の動向と今後の見通しは以下の通りである。ご興味があれば、ご覧いただきたい。

MC(モバイル・コミュニケーション):Q3の売上高は大幅な減収となったが、費用削減、為替の好影響、構造改革費用の減少で小幅な減益に留まり黒字を確保している。通期会社予想は、中南米、中近東でのスマホの販売減により売上高は下方修正されたが営業利益は費用削減や価格維持で相殺するとされ据え置かれている。台数減に歯止めがかからないことがやや気掛かり材料であるが、コスト削減が進んでいることやオペレーション力が改善しているため、今後も大崩れはしないという印象が持てる。

G&NS(ゲーム&ネットワークサービス):Q3ではPS4の価格改定によるマイナス影響はあったが、ハードのコストダウン、PS4ソフトの増収、ネットワークサービスの好調などで補い、増収、増益を確保している。また、PSVRについても想定通りで順調に推移していると。通期会社計予想は売上が増額修正されたが営業利益は円安の悪影響(ドル建部品調達コストの上昇)が考慮され据え置かれている。来年度はPS4のソフト、モバイルゲーム、PSVRなどが増益に寄与することが期待できる。

IP&S(イメージング・プロダクツ&ソリューション):デジカメの台数減や円高影響で減収、減益となったが、製品ミックス改善やコストダウンによりの営業利益率は13%と前年同期の12%より改善している。通期会社予想は円安影響により売上、営業利益ともに上方修正されている。来年度は震災影響がなくなることや高付加価値モデルの拡大で増益が期待できる。

HE&S(ホームエンタテイメント&サウンド):引き続きテレビの製品ミックスの改善は継続しているが、為替の悪影響により減収、減益となった。通期会社予想は、円安により売上高、営業利益ともに上方修正されている。テレビ事業は、かつては赤字垂れ流しの事業であったが、今年度で3年連続の黒字見通し。オペレーション力が改善していることが感じられるため、来年度も堅調な業績が期待できる。

半導体:Q3は震災影響の一巡やモバイル向けイメージセンサーの好調により黒字転換し、増収、増益となった。足元ではフル生産が続いており、想定以上の需要拡大や円安影響により通期会社予想は売上高、営業損益ともに上方修正された。スマホ市場でデュアルカメラの搭載が増えていること、中国スマホ市場で高機能化が進んでいることから旺盛な需要は今後も継続するとみられるため、半導体分野は、2018年3月期の業績牽引役として最も期待できる分野である。

コンポーネント:同セグメントの大半を占める電池事業は、引き続き2017年4月の譲渡完了に向けた準備が進められている。このため来年度からは同セグメメントがソニー全体に与える影響は極めて軽微なものとなると予想される。

映画:Q3 は、映画製作が大幅な減収となった一方で、テレビ番組制作は大幅増収に。また、営業損益は営業権の減損により大幅な減収となった。通期会社予想は、売上高は据え置かれたが、減損計上により営業利益は大幅に下方修正された。なお、来年度については、会社側は中期計画で示された目標レンジの下限(売上高95億ドル、営業利益率6%)を下回る見込みとコメントしている。ただし、映画分野のなかで不振なのは映画製作部門に限られ、テレビ番組制作やメディアネットワークは堅調であるため、今年度の減損損失を除いた営業利益(会社予想291億円)程度の水準確保は可能と現時点で筆者は予想している。

音楽:ストリーミング(オンデマンド型音楽・動画ストリーミングサービス及びラジオ型音楽ストリーミングサービス)やモバイルゲームアプリ(Fate/Grand/Order)の好調持続によりQ3も増益を確保し、通期会社予想も上方修正されている。

業績ハイライト

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