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LIXILグループ(5938)の経営改革の進展に期待し「大型株1年」での注目継続(2018年03月29日推奨終了)

投資スタンス

目標株価3,800円を据え置き、「大型株1年」での注目を継続する。

読者に伝えたい3つのポイント

  • 瀬戸社長のリーダーシップにより経営効率の改善、国内リフォーム市場への注力などにより中期的な業績改善に期待が持てるため、「大型株1年」を継続し、目標株価は3,800円を継続。
  • 2017年3月期は親会社株主に帰属する純利益(以下、純利益)が過去最高を更新すると予想しており、2018年3月期も純利益は2期連続での最高益更新を予想。
  • 5月8日に発表予定の決算では、海外の水回り製品の需要好調の持続性や国内リフォーム事業の活性化策の進展などを精査したい。

目標株価は3,800円

目標株価は3,800円を継続。目標株価は、2018年3月期筆者予想に対してPER18倍を当てはめて算出している。東証1部市場の歴史的な平均PER15倍に対して約3ポイントのプレミアムとなるが、中期的な高い利益成長見通しを勘案して許容可能と判断している。

海外の水回り製品が好調だったQ3累計(4-12月期)決算

同社は5月6日に2017年3月期決算を発表予定だが、その前に2月6日に発表されたQ3累計決算を振り返ってみたい。

Q3累計実績は、売上収益が対前年同期比▲7%減ながら、営業利益は693億円(同+14%増)、純利益は457億円(前年同期は16億円の黒字)と増益を確保している。

業績好調の主因は、「シャワートイレ」などの水回り製品(トイレ事業)の海外での好調であったが、その内容は以下の3つのポイントだ。

第1は、アメリカ向けに製造を行うメキシコ工場での製造歩留りの改善である。

同社は、2013年にアメリカの老舗トイレメーカーであるアメリカンスタンダード社(以下、ASB)を買収している。買収される以前のASBは長くプライベートエクイティファンドの傘下にあり、生産性改善のための設備投資が十分に行われていなかった。そうした“アンダーインベストメント”の状態にあったASBに対して同社は、設備の更新や日本からの技術者派遣などのテコ入れを行いその効果が顕在化してきたことが業績好調に寄与している。

ちなみに、トイレといっても工業製品を量産するための高い技術や知見が求められる奥深い製品である。便器には、汚れが付きにくい、傷がつきにくいなどの性能が求められ、その良し悪しは便器の形状や成形、乾燥、焼成といった陶器の加工方法によって決まるためである。

また、当然ながら、採算性を高めるためには歩留り改善のノウハウが不可欠であるが、会社側によると上述した取り組みにより、その効果は足元で大きく表れているとのことである。

第2は、2014年に買収したグローエとの協業の進展である。グローエは、欧州を中心に世界130か国以上に販路を持つシャワーヘッドなどの水回り製品を扱う高級ブランドメーカーである。これまで、グローエはシャワートイレを扱っていなかったが、協業を深めるなかで彼等が持つ販売チャネル、マーケティング力、デザイン力などを活用し、欧州などで拡販が徐々に進みだしている。

また、これまで日本企業である同社が販売できなかったイスラム圏にもシャワートイレの販路を確保したことは長期的に注目できる動きである。現状でのイスラム圏での売上寄与はわずかであるが、イスラム圏では、お祈りの前におしりを洗う習慣があることや人口も多い地域であるため、シャワートイレの成長フロンティアとなる可能性が高いと考えられる。

第3は、中国でのシャワートイレの好調である。日本への観光客急増の影響もあり、中国でもシャワートイレに対する関心が高まっていることや、品質が劣る中国製からの買い替え需要がここにきて急速に高まっていることがその背景にある。中国市場も潜在ポテンシャルが大きいため、今後もその動きに注目していきたい。

2017年3月期会社予想はQ3 累計(4-12月期)時点で既に超過達成

2017年3月期決算については、会社予想に対して上振れでの着地を筆者は予想している。

ちなみに、Q3累計時点で営業利益(会社予想は650億円)、純利益(同380億円)ともに、会社予想を超過達成しているが会社予想は据え置かれている。

その理由として、会社側は、中期的な成長を確かなものとするために、在庫、設備資産の見直しによる一過性の費用が発生する可能性があるためとしているが、会社側が想定するほどの大規模な費用は発生しないという前提で筆者予想は上振れを予想している。

2018年3月期は増収、増益を予想

2018年3月期については、海外の水回り製品の好調が持続することや、これまで取り組んできた国内リフォーム事業の活性化策の効果が徐々に顕在化していくことを前提に増収、増益を筆者は予想している。

なお、同社は2016年3月期より国際会計基準(IFRS)を任意適用していることには留意が必要ではあるが、仮に会社予想が達成されると2017年3月期は過去最高益(2007年3月期352億円)を更新することになり、2018年3月期も2年連続での最高益更新となる。

業績ハイライト

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