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ソニー(6758)の目標株価を引き上げ。業績回復トレンドと株価評価に注目(2018年03月29日推奨終了)

投資スタンス

目標株価を4,000円から4,400円に引き上げ、「大型株1年」での注目を継続する。

投資家に伝えたい3つのポイント

  • 目標株価を4,000円から4,400円に引き上げ、「大型株1年」での注目を継続する。
  • 2017年3月期決算を経て、筆者の業績予想を上方修正した。
  • 今後の重要イベントは5月23日に予定されている経営方針説明会及びソニーIRディであり、そこで示される事業戦略をもとに、今年度に中期計画目標を達成後も持続的な成長が可能かを改めて精査していきたい。

目標株価は4,000円から4,400円へ引き上げる

2017年3月期決算後に業績予想を上方修正した。これにより、目標株価についても見直しを行い、新たな目標株価は2018年3月期予想BPS 2,163円に約2倍を乗じた4,400円とした。

2018年3月期には20年ぶりに営業利益が5,000億円台に回復が見込まれることや、今後3年間のROEは10%超の水準が予想されるため、過去3年間のPBRの上限である約2倍を当てはめることは妥当であると判断している。

2017年3月期決算は2月時点の会社予想を超過達成

2017年4月28日に発表された2017年3月期決算は、売上高が対前年同期比▲6%減、営業利益が同▲2%減、当社株主に帰属する当期純利益が同▲50%減となった。4月21日に発表された修正予想とはインライン(同水準)だが、2月時点での予想に対しては、売上は横ばい、利益は上振れでの着地となっている。

実績に関して特に注目したいポイントは以下の4点となる。

第1は、営業利益2,887億円には、一過性の悪化要因が約1,800億円(映画分野の営業権の減損1,121億円、カメラモジュールの長期性資産の減損239億円、熊本地震影響による保険収入相殺後の物的損失等154億円、熊本地震に関連する機会損失308億円)や、保有株式(エムスリー)の売却益372億円が含まれており、これらを考慮すると、実質的な営業利益は4,300億円程度(前年比約46%増)にまで回復していたことになる。

この点をふまえると、2018年3月期の5,000億円という営業利益目標の達成確度の高さが認識されることになる。

第2は、Q4(1-3月期)のエレクトロニクス6セグメント合計の営業利益が約33億円とわずかではあるが1998年3月期Q4以来、19年ぶりに黒字となっていたことである。かつてのソニーでは、Q1、Q2 の前半は順調であってもQ4に在庫評価損や販売費用の計上等によりQ4に多額の赤字が計上されることが多かった。ソニーの現経営陣は、そのことを経営課題の一つとしてとらえ、改善に取り組んでいた。

今回のQ4でのエレキ部門の黒字化は、四半期ごとのコストの平準化や見える化への取り組みに一定の成果が確認できることになり、ポジティブに受け止められる。

第3は、モバイル・コミニュケーション分野の通期での黒字化が達成されたことである。ちなみに、同分野の過去3年間の営業損益は、2015年3月期が▲2,176億円、2016年3月期が▲614億円、2017年3月期が102億円の黒字である。これにより液晶テレビに続き、スマホでも自助努力により収益悪化事業をターンアラウンドさせることに成功したことになり、撤退や売却だけが、収益改善のための施策ではないことが実証されたことになり、示唆に富む動きとして注目できよう。

第4は、今回の決算から金融分野を除く連結ベースでの、キャッシュフローの分析が決算説明会資料に取り上げられたことである。これまでもソニーは、金融と金融以外の財務3表を開示していたが、今回の補足説明により金融を除くソニーの財政状況がわかりやすくなっている。

筆者業績予想を上方修正

今回の決算を受けて、筆者予想を見直した。2018年3月期営業利益については5,000億円から5,520億円へ上方修正した。

前回予想と同様に、PS4が2013年11月の発売から4年目を迎える投資回収期入りするゲーム事業や、震災影響の一巡や、スマホでのデュアルカメラ搭載機種の増加等による需要増により半導体事業(イメージセンサー)が全体業績を牽引すると見ているが、今回の予想では、カメラモジュール事業の中国工場の売却益(270億円)を織り込んだことを新たなに織り込んでいる。

なお、会社予想の「全社(共通)および消去」には、リスクバッファー▲400億円と、為替リスク(注)▲400億円が織り込まれており、これらのリスクが全て除くと、今年度の会社予想営業利益は5,800億円となることには注意したい。

注:各セグメントの営業利益は1ドル110円、1ユーロ115円を前提に予想されているが、連結全体の見通しは1ドル105円、1ユーロ110円で予想されている。このため、新興国通貨による影響も含めたその差額が、為替リスク▲400億円とされている。

業績ハイライト

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