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関東電化工業(4047)の今期減益予想は株価に織り込まれたと判断(2017年12月30日推奨終了)

投資スタンス

「小型株一年」の注目を継続する。5月15日の2017年3月期決算発表で2018年3月期の減益予想が公表され冴えない株価展開が続いている。しかし、減益決算予想は既に株価に織り込まれたと考える。株価水準は割安圏にあり、コツコツ拾っていきたい。

投資家に伝えたい3つのポイント

  • 2018年3月期は減益予想を発表し、足元は株価は軟調な展開となったが、筆者はこれを織り込みつつあると考える。
  • 当面の2018年3月期決算予想は、今期Q2累計(4-9月期)でほぼ業績悪が織り込まれ、2019年3月期以降は、6フッ化タングステンと電気自動車向けリチウムイオン電池向け電解質の増設効果で増収増益基調は崩れないだろうと予想。
  • 前期、今期の高水準の設備投資一巡後に、現状の低い配当性向是正の検討に期待したい。

目標株価の考え方

2018年3月期業績予想及び2019年3月期業績予想をベースにした短期、中期の目標株価をそれぞれ1,390円(前回1,590円)、1,690円(同1,880円)とする。

前回目標株価からの修正となるが、これは計算根拠となる東証平均の株価収益率(PER)を前回の16倍から15倍に引き下げたことによる。

筆者が同社の注目を開始したのは2016年9月16日(15日終値833円)。2017年2月15日には年初来高値1,226円を記録。その後、同年4月13日に868円まで下げたが、株価はここから仕切り直しで再び高値挑戦の動きを予想している。

2017年3月期決算実績のハイライト

5月15日に発表された2017年3月期の業績は結果的に期初予想から大幅に上方修正された。営業利益の期初予想76億円が、Q3決算(4-12月期)発表時点で86億円に上方修正され、更に本決算発表時点で93.6億円に上方修正された。

主たる要因はリチウムイオン電池向けの電解質(LiPF₆)の出荷量、価格ともQ4(1-3月期)に予想以上に改善、利益改善が急激に進行したことが指摘できよう。電気自動車向けリチウムイオン電池の電解質で世界トップの水準を誇る同社への引き合いが強かったことによる。

スマホ、データセンター向けに市場を拡大中の3D-NANDフラッシュメモリーの回路形成配線材料の6フッ化タングステン(WF₆)も旺盛な需要を背景にフル操業が続いた。配当は対前年比+2円の9円と増配したが配当性向は7.7%と将来の増配という課題を残した決算であった。

2018年3月期及び中期業績予想の考え方

2018年3月期の会社業績予想は対前期比+13%増収の売上高520億円、同▲25%減益の営業利益70億円、同▲31%減益の親会社株主に帰属する当期純利益46.5億円)と減益予想を公表した。

主たる減益要因は二つある。

第一の理由は大幅な設備投資による減価償却費の増加である。前期の設備投資は81億円と前々期比2.4倍に急増、今期も69億円と高い水準を予想する。主に6フッ化タングステンとリチウムイオン電池向け電解質の大幅な増設によるもので、今期の減価償却費は前期比で増加する見通し。いずれも顧客からの増産要請が強く増設後の操業は順調が予想されている。

第二の理由は、電気自動車(EV)の最大市場である中国おいて、中国政府は高品質な3元系の正極材料を使用した電池にのみ補助金を出す姿勢に転換、汎用品を製造していた電池メーカーの混乱により、4~6月の同社による電解質の出荷にブレーキが掛かったことによる収益のマイナス要因が発生している。筆者は7~9月には混乱が収拾し、下期以降はこれまでの高い操業率に転換することが予想される。

ただし、2つの減益の要因は、2018年3月期Q2累計(4-6月期)でほぼ悪材料が一巡すると考える。上期は6フッ化タングステン、電解質の生産設備の定期修理も計画されており、2018年3月期Q2累計決算(4-9月期)の見かけの業績は足踏みしたように見えるかもしれない。筆者はこういう局面が投資のタイミングと考えている。

他方、2019年3月期以降の中期業績見通しは、6年定率法による減価償却費負担の減少が見えていること、3D NANDフラッシュメモリー向け6フッ化タングステン、車載用リチウムイオン電池向け電解質のいずれでも世界トップシェアを有する有望製品の増産体制が確立することなどから、着実に増収増益が続くものと予想される。

今後の注目点

リーマンショック前に行った3フッ化窒素(NF₃)の大増設によって、大規模なリストラを余儀なくされた同社の業績回復が鮮明になってきた。筆者の予想では有利子負債が積み上がったリーマン後の状況から、2019年3月期から実質無借金(キャッシュリッチ)に転換する見通しだ。

自己資本利益率(ROE)も過去4ヶ年に亘って2桁パーセント、向こう3ヶ年度も15%以上を維持できると予想している。

一方、同社の配当性向は2018年3月期で11%(筆者予想)、2019年3月期でも12%(同)と上場会社平均が20~30%であることと比べても低い水準に留まる。2017年3月期、2018年3月期で設備投資がピークアウトすると見ており、その後のキャッシュ活用の途としての大幅な増配が検討されることに期待したい。

業績ハイライト

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