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JR東日本(9020)は鉄道だけではない!小売&ディベロッパー事業による成長ポテンシャルが魅力(2015年03月12日推奨終了)

目標株価

3年以内の目標株価:10,530円、株価上昇余地+43%(6月25日終値7,380円比)。

向こう3年以内の目標株価は10,530円です。これは2016年3月期の利益予想に対してPERで19倍にあたります。

積極的に投資を推奨したい株価水準: 6,500円以下

投資家に伝えたい3つのポイント

  • 東日本旅客鉄道(以下、JR東)は最も人口が多い東京を中心に運営されており、景気に左右されにくい在来線利用者が多く、鉄道会社の中でも安定的な鉄道収入が見込めます。
  • 東京、品川、新宿など大規模な集客のあるターミナル駅を多数保有し、その周辺での小売業の展開や不動産開発も積極的に行っており、まだまだこの領域での成長が見込めます。
  • 3年以内に10,530円、株価上昇余地+43%(6月25日終値7,380円比)を狙えると考えます。市場要因で株価が6,500円以下になった場合は積極的に買いだと考えます。6,500円は2014年3月期利益予想でPER13倍。PER13倍はリーマンショック後の安値水準と同等です。

新規参入のない鉄道事業

鉄道事業に関しては、多少他社と競合したり航空と競合したりするところはありますが、基本的には新規参入はなく、運賃の競争も起こらないため、非常に安定した収入を生み出すビジネスとなっています。

人口流入の見込める東京が主な事業領域

日本の人口がすでに減少フェーズに入っている中、JR東の中心的事業エリアである東京に関しては、2015年頃までは人口が増加することが見込まれ、鉄道事業や小売業にとって相対的に魅力的な事業エリアとなっています。

小売業にとっては圧倒的に有利な立地を持つ

小売業に関しては、集客力のあるターミナル駅を多数保有し、「立地」という他社に対して圧倒的優位な競争力を持っています。たとえば1日当たり100万人以上乗降する駅を最多の6つ保有していますが、2位の鉄道事業者が保有する100万人以上乗降のある駅が2つであることを考えると、その優位性がよく分かると思います。こういった立地のメリットに加え、運営面でも強い競争力を持っているのがJR東のさらなる強みです。「お客様の思いの先を読み、期待の先を満たす」という理念のもと、ルミネのようなそれまでになかったファッションビル形態を他の小売業に先駆けて展開し、大きな成功を収めています。他にもエキュートなど駅中の有効活用にも積極的です。今後も主要駅周辺への出店が見込まれ、成長に寄与するものと思われます。

品川駅はリニアの始発駅化にともない開発ポテンシャルあり

不動産開発に関しても、立地を活かしたオフィスビルの開発が今後も利益寄与していくと見込まれます。長期的なプロジェクトではありますが、渋谷駅周辺開発、品川駅周辺開発は大きな収益貢献が期待できるビッグプロジェクトです。特に品川駅に関しては、新駅開設の可能性もあり、羽田の活性化、リニアの始発駅化ともあいまって、今まで以上の集客が期待されます。その場合、品川周辺に広大な土地を保有するJR東が再開発のメインプレイヤーとなってその恩恵を享受することが見込まれます。

JR東の収益構造

売上高の70%近くが運輸業、残りの30%が小売、不動産業を含む非運輸業です。運輸業に関しては新幹線が約30%弱、在来線が70%強となっており、他のJR各社に比べると景気変動の影響を受けやすい新幹線の割合が低く、非常にディフェンシブな売上ポートフォリオとなっています。

費用に関しては、鉄道運営維持に必要な物件費が40%強、人件費が30%、減価償却費が20%弱となります。当社は鉄道インフラの維持のためにコンスタントに設備投資を行っていますが、現状の年間約5,000-5,500億円は今後も維持されると見込まれ、物件費や減価償却費が大きく増加することはないと予想されます。また人件費に関しても人員が大きく増加することはないと思われます。

機関投資家が必ず見ているポイント

ディフェンシブと言っても、やはり新幹線や在来線の長距離などは景気の影響を受けやすいので、月次で発表される営業収入のトレンドは毎月確認しています。また、設備投資計画は物件費や減価償却費に影響を与えるので注目しています。

さらに、キャッシュフローの使い方(成長投資か、株主還元か、従業員などその他のステークホルダーへの還元かなど)も注目されます。

配当を考える−増配は可能か

2014年3月期の配当は、前期比横ばいの120円と予想しています。ただ、今後2-3年以内に増配(もしくは自己株取得などの別の形の株主還元)は可能と考えます。会社の3ヶ年計画では向こう3年間で1.75兆円の営業キャッシュフローを見込んでいる一方、設備投資計画は1.55兆円となっています。過去の負債返済でバランスシートはかなり改善してきており(DEレシオ1.2倍)、これ以上急激なバランスシート改善は必要ないと思われます。つまり、設備投資後の営業キャッシュフローは3年間で2,000億円程度プラスになることが見込まれ、これを原資とした何らかの株主還元は可能と言えます。

2014年3月期の会社予想ベースの配当と当期純利益に基づけば、配当性向は24.7%ととなり、前期の27%から低下しています。2015年3月期に関してもマクロでの大きなダウンサイドがない限り利益成長が見込まれるため、同じ配当額だと配当性向はさらに下がることになります。一方会社は連結配当性向30%を目標としており、利益成長が続く限り近いうちのどこかの段階で配当を引き上げる必要があると考えます。

目標株価とバリュエーション

向こう3年以内の目標株価は10,530円です。これは2016年3月期の利益予想に対してPERで19倍にあたります。当社のバリュエーションは国内景気上昇局面ではPERで評価するのが妥当と考えます。現在の予想PERは14-15倍ですが、構造改革効果で景気が良くなった2004年〜2007年の当社の平均PERが19倍でした。今後アベノミクス効果で内需が刺激され、国内景気が良くなっていく中で、そのときと同程度まで市場の期待値が高まると予想します。

固有のリスク

国内のマクロ景気回復が腰折れして景気が急激に悪化する場合、鉄道事業(特に新幹線)、非鉄道事業ともに利益が悪化する可能性があります。また、キャッシュの還元を株主ではなく賃上げという形で従業員に、もしくは安全投資の増加という形で利用者に還元する場合、市場の増配期待を裏切る可能性があります。

業績ハイライト

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