アナリスト
推奨来高値 +23%
36人の方が、この記事を参考になったと投票しています。

ローソン(2651)は新たな成長期に入ったコンビニエンスストアチェーンの勝ち組のひとつ(2014年10月08日推奨終了)

投資家に伝えたい3つのポイント

  • コンビニは市場規模の拡大が加速するとともに大手三社であるセブン・イレブン・ジャパン、ローソン(2651)、ファミリマート(8028)に集約が進んでいます。この三社はそれぞれ既存店売上を維持しながら店舗網の拡大を継続できると考えます。典型的な成長株として長期投資の対象とすべきでしょう。
  • ローソン(2651)は規模・経営効率ではセブン・イレブン・ジャパンに次ぐ位置にありますが、コンビニ専業としては最大手になります。三菱商事の傘下で投資採算、ROE、株主還元を重視する経営が徹底され、業界最高水準の15%のROEをあげています。
  • 株価は昨年夏以降8,000円台に乗せたあと調整しています。しかしコンビニ勝ち組の成長ストーリーは中期的に株式市場で再評価されると見ています。当社のROEが中期的にさらに向上するという期待が高まるとき株価の上昇に拍車がかかるでしょう。想定株価レンジを6,000円~9,000円と考えており、現在の株価は上昇余地が大きいと考えます。
  • 目標株価

    • 目標株価は9,000円とします。これは2015年2月期筆者のEPS予想400円に対して、過去5年間のPERの高値の平均の23倍程度の水準です(図表1を参照)。
    • 現在の株価は当社の事業見通しの悪化というよりも外国人投資家を中心にした短期的需給の影響が大きいと考えます。現状の水準でもアップサイドとダウンサイドのリスクリターンは良好と思われます。仮に6,000円を下回る場合は積極的な買いをおすすめします。
    • ローソン(2651)の2月本決算は4月上旬に発表の予定です。現在はサイレントピリオドで情報が制約されます。私はこの半年で当社の事業環境や経営戦略が大きく変わったとは考えていませんので最近の株価の調整は魅力的と考えます。ただし、できる限り不確実性を減らしたいとお考えでしたら、決算発表後に投資されるとよろしいと思います。

    出所:SPEEDAをもとに筆者作成


    コンビニ大手は成長ステージに入る

    コンビニの店舗数は過去2年間では年率+5%台で増加しており、それ以前の4年間の年率成長率+2%から加速しています。しかも大手3社のみが店舗を増やしかつシェアも上げています。図表1でご確認ください。

    図表2でチェーン別の既存店売上げの前年比を見ましょう。セブン・イレブン・ジャパンの良好さが際立ちますが、ローソン(2651)、ファミリーマート(8028)もほぼゼロ%近辺にあり出店過剰を懸念する段階にはないと考えます。他方出店ができていない他のチェーンは既存店が▲2%を超える下落を見せています。

    「既存店好調、出店加速」といえば、どこかで聞いたことのある状況です。2014年3月9日付【小売専門店投資の切り口】でご紹介したサイクルの第一象限、「成長株」になります。この局面では、利益成長とバリュエーションの上昇が連動するため高い株価パフォーマンスが期待できます。

    なぜまだ出店できるのか?

    コンビニ下位からシェアを奪っているだけではなく、それに加えて新しい商圏を確立できそうだからです。これまでコンビニは食品を中心に川上に上って商品力を磨くと同時に、非物販(料金収納、金融サービス、チケット販売など)の取り扱いを高めて競争力をつけてきました。この蓄積をてこに、高齢者、働く女性といった新しい客層にアプローチし、さらに健康志向といった新しいニーズの取り込みが進められそうだと自信を深めているからでしょう。

    ローソン(2651)の場合、セブン・イレブン・ジャパンと伍していく食品を中心にした製品開発力を蓄えてきました。そのうえで、ローソンストア100やナチュラルローソンを通じて生鮮の取り扱いや食の安心への取り組みなどで他のコンビニとの違いを打ち出してきました。したがってこうした経験を発展させて、都市部の住宅地などにも新たな商圏を切り開きながら出店を継続できると考えています。

    たとえば家庭を持つ共稼ぎの女性にとって、仕事で遅くなっても家の近くで加工食品や生鮮食品をリーズナブルな価格で買い足すことができれば大変便利でしょう。また二人暮らしや一人暮らしのお年寄りの場合、徒歩や自転車で少し離れたスーパーに出かけるのもだんだん億劫になっていくかもしれません。そんなとき、近所で必要なだけ新鮮な食材を手頃な価格で買えればありがたいと思います。現在コンビニの食材プライベートブランド(PB)はスーパーで売られるナショナルブランドやスーパーのPBと競争できる品ぞろえになってきていると思われます。そこで当社はこうした経営資源を有効活用し小商圏のミニスーパーのような出店を考えていると思われます。もちろんこれまでコンビニが得意としてきたお弁当、ファーストフード、コーヒー、スイーツなどの絶え間ない提案も地場のスーパーや小売店に対して有効な武器になると思います。

    このコンセプトを落とし込んだものがローソンとローソンストア100を融合した「ローソンマート」であると考えます。当社は500店舗の展開を目指すとしていますが、店舗数はともかく、他社と差異化のある店舗になっていくと考えられます。

    コンビニの安定性も評価ポイント

    コンビニは店舗数が多く分散されているうえ退店も活発なために、店舗網の鮮度・競争力が維持されています。また、食品中心の品ぞろえですので商品の回転率が高く、いわば売り場の鮮度も高いと言えます。食品主体で消費増税の影響は低いと考えられますし、円安などによる仕入れ原価の上昇も漸進的に対応可能と考えられます。このように日々運営の改善が可能であるため、大手の業績は大崩れしにくいと考えています。これは株価を考えるうえで大きなプラスポイントだと思われます。

    ローソン(2651)に注目する理由

    専業としては最大手であること、そして投資に対するリターンや株主資本に対するリターンに強くコミットしており経営に安心感があります。実際ROEは15%と同業他社に比べて高く、コンビニ勝ち組の成長性が評価される局面では株価の上昇も大きいと考えられるからです。しかもこのROEを中期的に20%高めるとコミットしている点も評価しています。

    こうした投資効率への強い意識は筆頭株主の三菱商事の意向が強く働いているとみられ、トップの交代に影響を受けるとは考えられません。

    調整する株価を反転させるカタリスト

    図表4をご覧いただくと、ローソン(2651)の株価は2013年に良好な成績でした。これは、高ROE経営と成長ポテンシャルを外国人投資家中心に評価した結果とみなせます。

    出所:SPEEDAをもとに筆者作成


    しかし、今年に入ってその上昇分が帳消しになっています。この背景には、外国人投資家短期筋の日本株全般についての売却が嵩んだという環境要因に加えて、ローソン(2651)固有の理由もありそうです。それは、競合大手2社の出店ペースに比べて当社の出店がややスローなこと、その結果、とりわけ商圏として最重要である関東地区での展開に加速感が見られなかったことだと筆者はみています。

    私はこの株価の調整は投資の良いチャンスと思います。詳しくは4月上旬に予定される決算発表をみてみなければなりませんが、先に述べた新フォーマットのローソンマートの出店余地と投資採算性が確認されれば、競合大手2社とは差異化を果たしつつ業容の拡大ができそうだという期待が醸成されると思います。当面の注目ポイントです。

    念頭におくべきリスク

    大手の出店競争で当社の既存店売上が大きく弱含む場合。この場合は、小売店の業績サイクルの第二象限に入ることになりますので注意が必要です。ただし、これまで述べたように事業環境と経営資源の両面から健全な出店はまだ可能だと筆者はみています。

    出店ペースが立地やコストの制約から著しく低下する場合。しかし、小型食品スーパーと言える「ローソンマート」という新しいフォーマットも準備されているため今のところこの点も大きな懸念ではないと考えます。

    業績ハイライト

    既存店売上横ばい、店舗は年間600店純増を前提にしています。

    出所:SPEEDAをもとに筆者作成。予想は筆者


この記事は参考になりましたか?

はい いいえ

36人の方が、「この記事が参考になった」と投票しています。

無料ニュースレターに登録

メール送信

初回登録で推奨銘柄レポートを1本お届け!
> 読者登録規約を登録前にお読みください。

新規ユーザ登録

PR

関連記事一覧

PR

重要事項(ディスクレーマー)

1. 本記事で提供される投資情報等および調査・分析記事は、株式会社ナビゲータープラットフォーム(以下、「当社」)または執筆業務委託先が、記事購読者への情報提供を目的としてのみ作成したものであり、証券その他の金融商品の売買その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。

2. 本記事で提供される投資情報等ならびに調査・分析記事は、当社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。

3. 本記事で提供される見解や予測は、記事発表時点における当社または執筆業務委託先の判断であり、予告なしに変更されることがあります。

4. 当社は、記事における誤字脱字等、記事の大意、結論に影響が無いと当社が判断する修正に関しては、記事購読者に特段の通知をすることなく、行うことがあります。

5. 本記事で提供される如何なる投資情報等および調査・分析記事に、またはそれらの正確性、完全性もしくは適時性等に、記事購読者が依拠した結果として被る可能性のある直接的、間接的、付随的もしくは特別な損害またはその他の損害について、当社および当社に記事を提供する執筆業務委託先は責任を負うものではありません。

6. 本記事に掲載される株式等の有価証券および金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢など様々な影響により、その価値を増大または減少することもあり、また、価値を失う場合もあります。投資をする場合における当該投資に関する最終決定は、必ず記事購読者ご自身の判断と責任で行ってください。

7. 当社および執筆業務委託先は、記事の内容に関する記事購読者からのご質問への対応など、個別相対性のある追加サービスは行いません。但し、記事内容につき不適切な内容があり、当該内容について確認、修正、削除依頼をいただく場合はこの限りではありません。

8. 本記事に掲載されている内容の著作権は、原則として当社または執筆業務委託先に帰属します。記事購読者は、本記事で提供される情報に関して、当社の承諾を得ずに、当該情報の複製、販売、表示、配布、公表、修正、頒布または営利目的での利用を行う権利を有しません。

9. 本重要事項(ディスクレーマー)は随時アップデートされることがあります。最新の内容をご確認ください。

当社および執筆者による表明

1. 当社の取締役及び、発表前の記事に触れる可能性のある当社職員は日本株(個別銘柄)の取引を自粛いたします。但し、当社入社前から保有している株式の売却や相続等、相当の理由がある場合は本人からの事前申請に基づき取引を許可することがあります。また、執筆業務委託先についても、執筆者は特定の日本株(個別銘柄)を売買した場合(新規ポジションをつくった場合に限ります)はその後3ヶ月間、当該銘柄に記事上で言及することができず、また、記事上で言及した銘柄についてはその後6ヶ月間売買を制限されます。

2. 本記事の執筆者は、本記事で表明されている見解が調査対象会社やその証券に対する執筆者個人の見解を正確に反映していることをここに表明します。また、当該執筆者は、これまでに本記事で特定の見解を表明することに対して、直接的または間接的に報酬を一切受領していないこと、また、今後も受領する予定もないことをここに表明いたします。